王子様と貧乏な平民、二人きりの部屋。
「昨日は失礼な事言ってすいませんでした」
仮にも彼は身分が上の方、昨日の言動は身勝手だったと分かっていたので謝罪した。
しかし、謝りたくて招いたのではない。
本当に、本当に聞きたいことは――
確かめるよう尋ねた。
「姉ちゃんを好きなんだよな?」
好きだと言う結城は人形みたいな顔をしている。
切れ長のくっきりとした二重の吊り目。
その瞳は一見冷たいが、よく見ると柔らかくあたたかみを感じる。
こんなに穏やかな目をした人が本当に姉ちゃんを強引に?……分からない。
立ったまま話す。
敵同士が一定の距離を保つように。
「姉ちゃん、本当に?」
言葉の少なさから、意味を汲み取った結城は真っ直ぐ俺を見つめる。
そして短く、「ああ」と肯定した。
……大事な大事な姉ちゃんを結城は…
やっぱり、また泣きそうになるから歯を食いしばった。
俺の涙腺は欠陥品なのかもしれない。



