好きだから好きだから。
それだけしかない俺だから、あなたを失いたくない――
どうして分かってくれないんだよ。
「っちがう雅!!私は琴さんが好きなの!!」
どうして必死に結城が好きだと言うんだよ…
姉ちゃんが結城を好きなら好きな分だけ、俺は泣き叫びたいのに。
どうしてそんなことを言うんだよ。
丸い目を揺らし好きだと言う。
俺が言われたかった言葉を必死で言う。
――別の男の為に。
俺が大好きな目で、他の男への愛を訴えないでくれ。
お願いだから、他の人を好きだなんて言わないでくれ。
俺は姉ちゃんが好きだ。
だから姉ちゃんは俺を好きになるべきなのに。
だって…ずっと俺が隣に居たんだ。
……。
苛々した。バカ男に惚れる姉ちゃんに腹が立った。バカ女に見えた。
気付いたら喋り出していた―――
「好きとか…普通に勘違いじゃねぇの?そいつが初めてだったから愛だと勘違いしてるだけだよ、毎日抱かれてんだろ?
ばっかみてぇ。姉ちゃん…ソイツに遊ばれてるって気付かないんだ?」
――言いたくないのに、言わなきゃと。
できるだけ姉ちゃんが聞きたくないような最低な言い回しばかりしていた。
…だって



