白は花嫁の色


「忍さんを愛しています。結婚して一生守っていきたいです。娘さんを僕にください。忍さんじゃなきゃ愛せません」


いきなり結城が土下座をした。額が床について、つむじが見えるように丸まる。


あい、けっこん、まもる、とか―――

俺が言いたい言葉をなぜ別の男の口が喋っているのだろうか。

愛の歌を俺が大事に温めていたのに、結城が歌った。


結婚…?

花嫁にするの?

それは俺の未来に欠かせない姉ちゃんを奪うということじゃないか。

おかしい。

ショックよりも、なんで今更こんな風に言うのか、婚約する前に誕生日より前に、

なんで“婚約させてください”と先に言わないのか、

今になってこんな風に改まって何のつもりなのか、……疑問だらけだった。


まさかこんな風に告白してくるなんて思ってもなくて――…


なんなんだこの男…
頭がいかれているとしか思えない。

金持ちの考えなんて庶民には分からない。