洋服が似合う姉ちゃんが好きだからと、服飾関係の進路を選ぶなんて、
不純でばかげていると思われるかもしれない。
けど、頑張るには“目標”がないと頑張れないだろう?
勉強の嫌いな俺が優等生と呼ばれるまで、どれだけ頑張ったか――
数学なんて将来日常生活にほとんど使用しないし、歴史だって遥か遠くの国のことに興味ないし、
英語だって外国に行くつもりがないから正直必要ないし、
古文のレ点を私生活で使うこともないし、水素記号で恋愛を解けないし。
そんな俺でも、頑張って頑張って必死になって頑張れば、
周りから“頭が良い”と言われる人間になれるんだから。
姉ちゃんの為に死ぬほど頑張って……デザインのこと。
いつか、姉ちゃんに褒めてもらいたいから――