『雅は、服飾け?進学コースじゃなく?』
「…うん、女の服デザインとかもしてぇなあって。
てか本当はただのデザインコースが良いけど、県立だと自宅通いできるのないからさ、まあ服飾で良いかなーと」
『ああ、お前それいいな、将来モテるぜ』
「まあ頑張るよ。倍率高いからさ」
『頑張ろうな?相坂はK校だろ、理系とか俺さっぱりだわ、ばらばらになるな』
―――寂しい。
久保も相坂も中学になってからの大事な親友だ。離れ離れになるのは寂しい。
でも三人とも目指すものがあって、それってなんかざっくりと青春って感じだ。
『また遊ぼうな』と約束し電話を切った。
高校になっても友達は変わらないでいたい。
…頑張ろう。
頑張って頑張ってそこで何かを見つけたい。
…姉ちゃん、俺 頑張るから。姉ちゃんに見合う男になるよ。
結城のような人になりたい。
開けた窓からは心地良い風が吹く。沈んでいたすべてを吹き消すような、風――



