姉ちゃんがニコニコしていて。
夢だと分かっているんだけど、姉ちゃんが夢の中では会いにきてくれるから嬉しかった。
ずっと姉ちゃんは笑っていて、凄く綺麗な笑い顔。花にも太陽にも宝石にも負けない笑顔。
こんなとびきりな笑顔が見られるなら、やっぱり頑張ろうと思った。
――よく見ると結城と歩いてた。
姉ちゃんは結城と手を繋ぎ、俺の知らない女の顔をしてにこにこと結城を見ている。
―――俺が綺麗だと思ったのは、結城に向けた笑顔だった。
夢の中でも俺は結城に負けるのかと、幻の話にも傷付いた。
夢の中でくらい邪魔しないでほしい。
目を覚ませば終わるくっだらない幸せに縋りたいのに。
それでも結城は邪魔をする。
綺麗な笑顔。
―――なのに、



