白は花嫁の色




自分ができることを頑張ろうと決めた。

受験と。家族の役に立つこと。あと友達。――まずそれを完璧にする。

…だって姉ちゃんに会った時に情けない俺じゃだめだから。


――姉ちゃん、頑張るからどうか待っていて…

早く家族ごと、姉ちゃんを養える大人になるから。…俺頑張るから。

結城みたいな贅沢な幸せは やれないけれど、小さな幸せを毎日あげられるような男になるから。


だから――――



――――
―――



……





…本当は気付いている。

だけど。

気付いていても、姉ちゃんを好きな俺は鈍感なふりをしたかった。

見て見ぬふりをするのも大人だろう?

結城の会社で働く奴らみたいに、見て見ぬふりをして…




その日、また夢を見た。