白は花嫁の色


「…雅、家変わったんだろ?……なんか大変だったんだな、本当。気付けなくてごめんな」

「はは、急に金が湧いてついてけないんだ。…言わなかったのは俺だから、だからごめん。なかなかセレブなんだ俺」


冗談が冗談にならなくて無言になった。無言は逆光に黒く包まれる。


「仲直りしよーや、な?」
「……相坂」
「そうだよ、ベタに仲直りしよう」
「久保…」


「明日から…戻ろう?な?!」

「…ありがとう」

相坂と久保と握手をして笑った。安っぽい映画みたいだけど心地良いんだ。


いい友達を持ったな、と。
きっと姉ちゃんは…“友達は大事にしなよ”と言うのだろう。


家族がいて、友達がいて、あと俺に足りないのは姉ちゃんだけだ。

未来の花嫁だけ―――