進路も決めた。
担任に進路票も出した。
もう無関係となった体育館…バスケ部の様子を覗く。
シューズの摩擦の音やボールの弾ける音。それだけで懐かしい。
……相坂も久保も走っている。この前までこの中に俺も居た。
バスケをしている頃は なんて幸せだったんだろうか…。姉ちゃんのことだけ考えたら笑える毎日で。
何も不幸せなことなんて考えていなかった。
――まさかこんな風になるなんて。
中途半端にやめたことを後悔はしていない。
…だけど、やっぱり三年間やってきたからだろうか。姉ちゃんへの気持ちがバスケそのものだったからだろうか。
淋しいのは何故…
……。
この想いをデザイン画にぶつけたらいいのか?
……。
勉強をしよう。
懐かしさに浸るのではなく、俺は未来へ足を進めるから――
「「雅!!」」



