久々に見た姉ちゃん。
凄く綺麗だった。前よりとても表情が柔らかかった。それは――…
…いや、考えたくない。
考えた先にある答えが怖いから――――
「雅」
「……父さん」
話そうかと、父さんはベンチに腰掛けた。
家を抜け出した音が大きかっただろうか。どうして公園に居ると分かったんだろうか。
そんなことを考えていた。
話さない俺をどう捉えたのか、ゆっくりと父さんは空を見上げた。
「忍、綺麗だったなあ…セレブっつうのか、きれいだった」
「…綺麗だったね、セレブだったね、幸せそうだったね」
淡々と口にした。気持ちを飲み込むように声を出した。
そうしないと、子供みたいに駄々をこねてしまいそうになるから。
「雅、……忍は幸せだと思うか?」
不意な問いは嗄れた声で、それは気持ちが泣いているからだろうか。
幸せにはお金が必要だ。
だから頷いてみせた。



