「みんな、なんか、違うね…なんか…ずるい」
指輪を見ながら呟く。
愛しそうに指輪を見つめていて…。姉ちゃんは結城を想っているのかな。なんて。
――姉ちゃんは変わった。昔の姉ちゃんなら不満なんか言わなかった。
絶対不満なんて口にしなかった。
「ずるいのはお姉ちゃんだよ!!お姉ちゃんお金持ちと結婚するんでしょ、一人だけ贅沢してずるいよ」
椿が言う。
「そうだよ、お姉ちゃんは俺らを捨てたんだろ、ずるいよ。金の為に俺らを捨てたんだろ」
実が言う。
「お姉ちゃんなんか嫌いだよ、一人だけ幸せでずるいよ」
茜が言う。
―――驚いた。
俺は姉ちゃんを庇うべきなのに、指輪を愛しそうに眺める姉ちゃん向かって…
口を走らせていた。
「そうだよ、姉ちゃんは金の為に好きでもない男と結婚するんだろ?!きたねぇよ!!」
―――こんなこと言うつもりないのに。



