白は花嫁の色


口ごもる。お金がないから。


…小学生の頃は良かった。
公園でボール蹴って追いかけたり、友達の家でゲームしたりしていたら十分楽しめたから。


でも、中学生になって少し変わった。
街中のゲーセン行ったり服見て買い物したりファミレス行ったり、それこそ映画行ったりが遊びで。

いつの間にかお金が掛かるモンが遊びになっていた。

――中学生らしい“遊び”とは無縁だ。

お金がないから中学生らしい遊びは無理だ。…小学生らしい遊びしかできない。



久保は―――

手伝い着だと言っているけれど、
よくクラスの奴が読んでいる雑誌に載ったブランドの服を着ている。

当たり前に着ていて…。


髪だって床屋じゃなくて多分美容院で切ってるいし、アクセサリーとかちゃっかり付けている。

別に特別金かけてなくても、ある程度のおしゃれな中学生だなと思う。


……それに引き換え俺は、普通より下な格好で。格好悪いったらない。



相坂に返事をしたいのだろう。

携帯電話……
携帯を握っている手のひらにさえ、俺は嫉妬しているんだ。


友達なのに、時々憎たらしくなる――