再び「ご飯だよ」と姉ちゃんの声がして、時計を見ると六時半だった。
もうそんな時間か。
時間が経つのを忘れるのは久々で、夢中で俺は考えていたらしい。
一階の食卓に降りた。からあげと温野菜のサラダとスープが並んでいた。…懐かしい香り。
姉ちゃんが居る。目の前に姉ちゃんが居る。なのに俺は姉ちゃんを見れずにいる。
嬉しいのに凄く嬉しいのに何もかも言葉にならない。
ただ姉ちゃんの細い足首ばかり見つめた。
だから姉ちゃんがどんな顔をしているかなんて知らなかった。
懐かしい香りがするんだ。姉ちゃん特有の密のような香り――…
と、
「ねえーー晩ご飯これぇ?やだぁーー」実が言う。
「まずそう!!外に食べ行こうよーー」茜が言う。
え?
俺は思わず顔を上げた。
必然的に、ばっちりと姉ちゃんと目が合った。
そっくりだと言われる丸い目…



