――幸せ?
きっと“幸せ”という言葉を姉ちゃんは言えないんだ。だから俺は言う。
――姉ちゃん、俺姉ちゃんのこと、忍の事がずっと好きだったんだ。俺が幸せにしたい。
――雅…
返事はどうだろう。
ネックレスを、ピンキーリングを、そっと嵌めてあげるんだ。
きっと誰よりも似合うから。
姉ちゃんを笑顔にさせてあげるのは俺の役目だから。
……俺は姉ちゃんが好きだ。どうしようもないんだ。誰にも邪魔されたくない。
結城が姉ちゃんに早く飽きますように。赤ちゃんが出来ても堕胎させますように。姉ちゃんの他に女を見つけますように。
…いつか姉ちゃんが帰ってきたら…。
俺の花嫁にして、姉ちゃんは多分 淋しがり屋だから二世帯住宅にするだろう。
ならば結城に与えられた部屋は初めて“ありがたく”思えた。姉ちゃんの代償だとしても。
結城が不幸にした姉ちゃんを俺が幸せにしてみせるから―――
だって初めから姉ちゃんの未来は結城ではなく、俺のものなのだから。
…



