バタバタと椿、茜、実が階段を降りる音がする。それを聞きながら、俺は動けないでいる。
姉ちゃんに会いたいのに会うのが怖い。
姉ちゃんに会って、姉ちゃんを助けれない自分を知るのが怖い。
姉ちゃんが怖い。
怖い。
プレゼントを手にして考える。
綿飴みたいに甘い姉ちゃんを前に俺は言うんだ。
――久しぶり、姉ちゃんごめんな、俺何もしてあげれない。
――全然、雅元気?部活は?どうなの?
――辞めたんだ、姉ちゃんが居なきゃ頑張れないから。
――っふふ、何それ。雅…ごめんね。何も言わなくて。
多分、こんな感じで会話は進むだろう。それで俺は切り出すんだ。
――姉ちゃん、これ誕生日プレゼント。渡せなかったんだ。
――え?
――開けて。
そしてプレゼントを開けた姉ちゃんは頬を染めてこう言うだろう。
――ありがとう雅!!可愛い!!うれしい…でも、どうして?
――バイトしたんだ、友達んとこで
――雅…ありがとう。
それから、俺は聞くんだ。
――姉ちゃん幸せ?



