見られたくなくて、「閉めろよ」と凄んでいた。
「ごめんっ」と小さな声を消すように勢い良くドアは閉まった。
…――頭が真っ白だ。
なんで、姉ちゃんが?どうして?なんで??
帰ってきた。帰ってきたんだ。どうして、なんで、……嬉しいのに、理解力が追いつかない。
ふしだらな女が汚らしいので、ベットから床に移動し仰向けに寝転んだ。
低い天井は高くて―――
夢が叶った。魔法使いが居るのかもしれないと信じたくてしょうがない。
姉ちゃんが帰ってきた。姉ちゃんがやっと…。やっと、やっとだ。
今度はもう離さない。もう一人で家から出してやらない。代わりに俺が働くから、姉ちゃんは大事に閉じ込めておく。
俺だけの為に笑ってくれたら良い。
「何今の、あれって…先輩だよね、いっちゃんのお姉ちゃんだよね…。なんか最悪だし。目撃されるとか気まずいし…、ってか未遂だけどさあ?なんかアタシにだって体裁が…」
ブツブツ言いながら植木は服を着るが、存在を無視していた俺は返事なんてしなかった。
ああ…姉ちゃんが帰ってきた。やっと元どおりだ!姉ちゃんとやっと…笑える日が戻ってきた!!
地獄は天国になるんだ!!



