一人になりたいのに邪魔をしないで欲しい。
「……手伝ってくれなくていいよ、別に」
「なんでー、ちゃんと宿題しなきゃ卒業で困るよ。内申だってあるんだし?」
……そんな外見をしておいて、中身はちゃらんぽらんにはなれないんだな?偉い奴だ…立派だ、ちゃんと未来を考えているのだから。
「そっか、なら俺帰るよ」
「え?」
「ばいばい。宿題よろしく」
「待ってよ、いっちゃん!!アタシも帰るし!!」
…なぜ女はわざわざ俺に構うのだろうか…。将来性のない男なんてほっとけばいいのに。
堀もこの女も…ばかじゃねぇの…ダメ男が好きなのだろうか。
…しつこく気持ちを素直に伝えたって、追い掛けたって、―――必ず両思いとは限らないのだから。
探偵でも雇い、俺が姉ちゃんを誘拐しに行ったとしても、それが望まれているかなんて…
分からないから―――



