白は花嫁の色





白いワンピースを着た姉ちゃんが居て、俺は姉ちゃんの隣りに座っていた。

渡せなかったプレゼントを姉ちゃんに渡そうとしているらしい。

握り締めるプレゼント。
姉ちゃんの丸い目が俺を見つめている。

やっと見つけた姉ちゃん――…



告白しようと手をとった。

ちゃんは嬉しそうな笑みを浮かべ、するりと手を払う―――

そして――
―――黒髪の男に駆け寄って行った。


姉ちゃんを無くした手は冷たい。




―――涙が流れ、夢だと気付く。



ああ、そうか。

俺は夢の中でさえ、プレゼントも渡せられず、告白もできずーー

その程度の俺ーー


「くだらない」

……声に出して呟いた。



…途中で止めずに掘を抱いてしまえば良かったんだ。そうしたら好きでもない女を抱いた後悔と自己嫌悪で悩みまくれたのに。

悩むことをごまかすために自暴自棄になって、女にでも溺れてしまえば良かったんだ。


そしたらこんなに姉ちゃんを想い悩むこともなく無で生きれたのに。

…悩むことが趣味なのだろうか。