白は花嫁の色



「お前ら最近元気ないよな?」

二回目になるが、自分の部屋に兄弟を集めるなり言った。こうして小さな頭を見るのは久々だ。

椿はつり目になったし、茜は少しぽっちゃりしたし、実は口角が下がったように思う。

顔つきが違うように思えた。だとすれば俺はどんな顔をしているのだろうか…


三人揃って無言のまま下を向く。広い部屋だというのに窮屈だ。滑稽だな。


「…無理しなくていいんだよ?兄ちゃんは姉ちゃんが居なくて悲しい。泣きたい。……母さんがいるのは嬉しいはずなのに悲しい」


兄弟に伝わるようになるべくゆっくり話した。姉ちゃんの口調を真似て…


「私っ……本当は嫌だよ…」椿は言う。

「姉ちゃんに会いたい…」実は言う。

「…どうして姉ちゃんは居ないの?」茜は言う。


泣き出した三人。今までのようにめそめそと泣かないように下唇を噛む様が痛かった。

眉間に刻まれた皺の深さが姉ちゃんへの想い。深く深く――姉ちゃんはこんなに家族に慕われているのに。


「……本当、分からないよ」

解決はしない、分かっている。これ以上言葉はいらなかった。

――…四人で丸まって眠った。ベットではなく床に。畳ではない、ぼろい布団じゃない。全部違う。

……眠っても怖くて。


怖くて――…


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