父さんは俺が姉ちゃんを男の目で見ているといった。
その通りだ。姉ちゃんと、好きな女となら…
下品な言葉じゃなく、真剣に姉ちゃんと愛し合いたいと思う。
好きだよと囁きながらキスをして、微笑みながら服を脱がすんだ。
愛しているだとか大事にするだとか甘い言葉を告げながら、俺は姉ちゃんと一つになりたい。
姉ちゃんに俺を受け入れてほしい、それを姉ちゃんが幸せだと思ってくれるなら本望だ。
――――それはそんなにいけないことなのか?
好きなだけなのに、お金がないならそれは許されないのか?
「はあ…」
何をやっているんだろう。
俺は姉ちゃんが好きだ。
会いたいと思うと同じ分だけ、会いたくないと思う。
だって俺はまだ働いてもないガキだから、何も養ってやれやしないから――――結城なら可能なのに。
自棄になってグレることもできないし、女遊びもできない。
ただ殻に閉じこもるだけの俺だ。
どうしたらいいんだろうか、身寄のない俺は。市井の世話になっていて…。
…いつまで世話になるんだろうか。
ああ…俺はいくじなしだ。消えてしまいたい。こんな俺なんか存在価値がないじゃないか。
なあ姉ちゃんは…幸せか?俺は姉ちゃんが幸せなら…それで満足なんだ。
だからどうか泣いていませんように。どうか笑っていますように。
だけど俺は…本当は…――



