白は花嫁の色


なぜ涙が頬を伝うのだろう。
涙をコントロールするのが大人なら、俺はまだまだ足りない子供だ。

つまらない色褪せた世界。公園は落ち着く。姉ちゃんの残像があるから。

姉ちゃんの面影を探しても…本当はここには居ない、見つからない。


文庫本を閉じ帰宅しようと腰を上げる。
携帯を開くと液晶画面が目に染みる。

――まだ八時か。
…姉ちゃんが居なくなってから、時間が経つのが遅くなった気がする。

スローモーションで、頭の中の思考を読み取れるくらい…俺は時間を無駄に持て余している。

風とか、月とか、匂いとか、情景を感じるほど…心にゆとりがない。


けだるい気持ちで家に帰るなり、母さんが「お客さんよ」と言う。


部屋に通していると言う、そういえば見慣れないスニーカーが玄関にあったかもしれない。

それに気付かないくらい、集中力のかけらもないんだとおかしかった。



ドアを開けて心の底から落胆した。