白は花嫁の色


穏やかに父さんと母さんはリビングで話していたけれど、なりふり構わず叫んだ。

「なあ父さん姉ちゃんはどこに居るんだよ!!どうして言わないんだよ!意味が分からない!!俺が連れ戻すから!!」


息を乱す俺を嫌悪するように、父さんは眉をひそめこちらを見つめる。

彼が父親として何を考えて居るのか最近よく分からないんだ。


「工場の技術がやっと認められた、発注が増えた」

低い声で言う。息子を見るが、その目には俺は映っていない。

俺は姉ちゃんの瞳にしか映れない。そこが俺の居場所なのに―――


「じゃあ…!なんで母さん戻ってきたんだよ?!」

勝手に逃げたのに、家族の中に当たり前に加わった母さんに目をやる。

姉ちゃんに似た形の良い唇を開き――


「…私は、忍の変わりに子供た「変わりなんか居ない!!どうして!!どうしてどうしてだよ!!なんで皆姉ちゃんをなかったことにするんだよ!!」

今度は怒りの矛先を母さんに向け叫んだ。喉の内側が潰れたっていい。叫ぶばかりで喉の奥が痛い。