白は花嫁の色


リビングに…


「どうして」と椿。「なんで??」と実。「…うそ」と茜。
俺は言葉すら出なかった。

そこには数年前「こんな生活は嫌」と出て行った母さんがいた。

「父さん、また母さんとやり直すことにしたから」


「お母さんっ」「お帰りっ」「お母さん」
兄弟は嬉しそうに母さんに抱き付く…それを俺は呆然と見ているだけだった。

信じられなかった。信じたくないから、俺は母さんのことを見て見ぬふりをした。


――――幻だと。

しかし、月曜日に学校から帰宅すると当たり前のように母さんが晩飯を作っていた。

ひたすら若作り、着飾っている。姉ちゃんの母親なだけあって年齢の割にそれなりに美しいと思う。


「雅ご飯食べちゃって」

なぜ戻ってきたかなんて理由を言わない…。金目当てで戻ってきたのだろうか。

姉ちゃんが金持ちと婚約したから、札の香りを嗅ぎ付けて戻って来たんだろうか。


和気あいあい、兄弟は嬉しそうに晩飯を食べていて…違和感がある。

おかしいだろ?……分からない。おかしいと思う俺がおかしいのだろうか。