―――

もはや高校進学なんて無関係なのだから、テストは白紙で出した。とにかくどうでも良かった。

解答欄に何も書かなかったし、名前も書かなかったのは初めてだ。
問題用紙さえ見なかった。

ただ、ぼんやりと窓の外を眺めた。


こんな幼稚な行動は無駄な事だと分かっている。


でもどうでも良かった。
小さな抵抗。非力な反抗。


誰か助けて欲しい。

目を開けると「嘘だよ、夢だったんだよ」って、姉ちゃんが笑っていればいい。許してあげるのに。


受験頑張るなんて約束はもう守れない。姉ちゃんが喜ばないと想像できるが、約束は守らない。



俺は結城に何か悪い事をしたのだろうか…何かの嫌がらせなのだろうか

受験なんて将来なんて…今日が分からないのに、明日なんか見えるはずがないんだ。


今、自分がどうしたいのかさえ分からないのだから。

姉ちゃんに会いたいという気持ち以外、なにもかもどうでもいいんだから。

…未来を返してくれたら良いのに。