白は花嫁の色


姉ちゃんは居ない。
「楽しみだな」って言ったのに。「時間潰して来る」って出て行ったのに…なんで。


ケーキの甘い香りと油の匂いが混ざって臭い。自分が散らかした残骸を自分で片付けた。

片付けたって昨日の事実は今日も明日もずっとある。婚約した事実はずっとずっとある。

俺の夢をどうしてくれる。俺は姉ちゃんと結婚したかったというのに。


姉ちゃんの嘘つき…
嘘つき。誕生日パーティーするって、約束したじゃん。

なんで主役が居ないんだ。


分かっていたはずだ。俺がどれだけ昨日を楽しみにしていたか。

姉ちゃんならお見通しだったんだろう?!


褒められたいから、昨日と言う日に賭けていたのに。

食べずに残飯となった料理をどうしてくれる。



誰がなんと言おうが、昨日の誕生日は特別だったんだ。十六歳だから――…

十六歳の誕生日に指輪をあげたかったのは俺なのだから。