月明りの幻想的な時間、二人だけで話せるこの道が好きだった。
しかし、もう姉ちゃんと歩くことはない。いつもの道に俺は一人。
一人、だ。一人。ひとりぼっち。
プレゼントなんて渡せなかった。
お祝いなんか出来なかった。
姉ちゃんはもう居ない。
ケーキはどうなる?約束は?
春の夜は意外と冷えて、鳥肌を潰すように両手で体をさすった。
姉ちゃんは今どこにいるんだろうか。一体誰と婚約させられたんだろうか。
だっておかしい。
姉ちゃんが婚約するなら相手は俺しか居ないのだから。
絶対迎えに行くから…なあ、姉ちゃん…
――――
…



