「しのちゃん誕生日か、じゅう…?「六です」
「そうか十六歳か、早いな、結婚したら淋しいなぁ…そうだなあ、今日はおっちゃんからしのちゃんに誕生日プレゼントを。
…誕生日プレゼントだ」
おっちゃんは白いケースに和牛のグラム半端ない肉を乗せながら笑うが、
すかさず、こんな時くらい買わして下さいと、手のひらを見せ遠慮した。
いつもただ同然で譲ってくれるのだから……今日くらいは買わなければ。
けれど肉屋の主人はいつのまにかパックに肉を詰め、袋を差し出す。
「これはしのちゃんに。お誕生日おめでとうって言ってくれ」
とびきりの笑顔は頬骨が張り、優しい顔をしていて、姉ちゃんに向けた笑顔が嬉しくて――
「、ありがとうございますっ…ありがとうございます!!」
感謝を重ね頭を下げ、肉屋を後にした。
おじさんは良い人だと思う…そしてそれは姉ちゃんの人柄の良さが成した結果なのだろう。



