白は花嫁の色


柔らかな日差しが風に乗り、建物をきらりと輝かせる。

自転車の後ろに実を乗せて、誕生日ケーキを持たせた。丁寧に扱わないと壊れてしまいそうな繊細さ。

「真っ直ぐ持てよ?」
「うんっ」

フルーツいっぱいのケーキは、喜んでくれるだろうか。いいや喜ぶに決まっている。


頭の中は舞踏会の食事風景、絵本くらいでしか想像したことはないけれど――

商店街の中は自転車を降りて、お肉屋さんを目指す。

アーケードからは和やかな光の調光が注がれ、角のないふんわりした空気が漂っている。

肉屋の店主は俺を見るなり、「しのちゃんは?」と、風邪でも引いたのかと続けた。

客よりも俺よりも、姉ちゃんが気になるのかと幾らか呆れた気になる。

「今日は姉ちゃん誕生日だから俺が料理するんだ」

――自信満々に言い過ぎたのかもしれない、肉屋のおっちゃんはおかしそうに笑うんだ。

「しのちゃんは美人さんだから、ついなんでもかんでもあげちゃうんだ。うちのモンには内緒だぞ?在庫とレジ金が合わないーって、ははは」

「ふはは、内緒で。えっと今日は二千円分、ステーキ用の買いたいんすけど、でも安い奴で。だいたい大人四人分くらい」


姉ちゃんを美人と褒められ弛みっ放しの頬の筋肉は、これからの誕生日会を想像すれば更に弛まる。