勉強も終え、明日に備えて眠ろうとしたら「雅」と呼ばれた。
「あっちで寝ない?」と兄弟が眠る部屋を指す。
…あれかな、誕生日だから皆と居たいのかな。
ぐっすりと眠っている三人の足下で、姉ちゃんの分と自分の分の布団を敷く。
「なあ、姉ちゃん…」
「ん?」
「…ううん」
…なんか元気ない。
まんまるの綺麗な目には…悲しみと喜びがあるように思える。
布団に寝転ぶと、ふわっと姉ちゃんの甘い香りがした。それはやっぱりお花畑のようで――…
「雅…椿はしっかりしてるよね、もう小六だし。茜はグズグズだけどお姉さんだしね。
実はいたずらっ子だけど最近は少し大人になったし。みんなもう成長したよねー早いよね、うん…」
しんみりと話をするのは…誕生日だからだよな?
カチカチと秒針が動く。
…針が、十二時に重なる…
54、55、56、57、58、59ーー…
一秒を、こんなに一生懸命数えたことなんてない。



