気持ち悪いくらいに唇がゆるんでいた。
「気に入られました?お値段はぴったり1万円なんですよー可愛いですよねー普段使いに、ねー」
どんぴしゃだ。
独特な店員喋りが気にならないくらい気持ちが高ぶっていて、すぐに下さいとお金を払った。
すげぇ嬉しい、姉ちゃんに絶対似合う。めっちゃいい、絶対いい、似合う。すげぇいい。
プレゼントを渡す方は、こんなに幸せな気持ちになるんだなんて知らなかった。
世の中の男が貢ぎたくなる心情が分かるような気がする。
喜んでくれる顔を想像するだけで心が幸せに満ちて――…
そっと渡された紙袋は薄いブルーに薄いピンクの取っ手。お姫様の家具みたいな色合いだ。
うきうきドキドキ?女子みたいだな。
――早く明日になればいい。
姉ちゃんを笑顔にできるから楽しみなのか、姉ちゃんの笑顔を見られるから楽しみなのか、自分でも分からない。
押し入れの中に、プレゼントを隠した。一緒に恋心も入れておいた。



