家に帰るなり封筒のお金を数えた。
一万六千円ある。
このお金で買うものは決まっているんだ。
――姉ちゃんへの誕生日プレゼント。
こんなにあるならプレゼントだけではなく、ケーキやご馳走にも奮発できる。
嬉しくて。嬉しくて嬉しくて、にやけてとまらない。姉ちゃんに喜んでほしい。喜ぶ姿が見たい。
明日プレゼントを買いに行こう。明後日は姉ちゃんが十六歳になる誕生日だから。
――わくわくする。
いつもより特別な記念日になるに違いない。
お城のパーティーには劣るだろうが、幸せな一日になるはずだ。
早く姉ちゃんの喜ぶ顔が見たい。
十六歳か…
早く十八歳になりたい。結婚したい。俺の花嫁さんは姉ちゃん。
幸せな誕生日にしよう。
王子様らしく振る舞おう。
――少し汚れた襖にはリスのシールがペタペタと。畳の目が綻んでいた。



