あれから、三年の月日が経った。 僕は高校を卒業して、就職して2年目の春を迎えた。 今でもあの傘を使っている。 大分傷だらけになったけど、何度も修復しながら使っている。 これは、えりとの思い出だから。 今日も三年前と同じ、早い五月雨に見舞われている。 でも、バス停には僕一人。 横に、えりはいない。 僕の右腕はすっぽりと空き、寒くなった。