短編小説の集い。

 

「えりがしわくちゃの化け物みたいなお婆ちゃんになって、死ぬ時まで」

「うん、いいよ。じゃあ、なつもしわくちゃの河童みたいなお爺ちゃんだね」

「そうだな」


えりが隣にいるだけで、幸せだった。

いつまでも、こうして二人で歩いていたい。


気がついた頃、暗闇の空は五月雨が止んでいた。

えりは傘から飛び出て、子供のようにはしゃいだ。


「見てーなーつ。雨止んだよ」