一瞬、えりが何を言っているのか理解できなかった。 僕の頭は真っ白になった。 「ほ、ホント……に? 赤ちゃん……できたって事は、妊娠したの?」 えりは頭を上げようとしなかった。 「……えり?」 えりの返事のない間が恐かった。 無意識に、心臓は高鳴る。 しばらく沈黙して、えりは目を合わせようとせず、顔を上げた。