少し距離をおいてあたしの横にやってきて13階からの景色を眺める。

ちょっとダルそうな全部どうでもいいと諦めたような世界を見透かすような目つき。

きっと

あたしも同じような目でこの景色をみているのだろう。

「あたし杵島綾。このマンションの四階の住人。君の、名前は?」

「工藤光矢です」

少年はぶっきらぼうに照れ隠ししながら自己紹介するとペコリと小さく会釈をした。