【短編集】エーテルの底で



「俊介!!!!」

「………理子っ!!!」

抱きしめた体温はいつだって暖かい。
俊介の心臓の音なんて意識したことなかったのに今は、それを全身で受け止めて苦しくなって安心して大泣きする。


「やべぇ!!!やべぇよ…!!人殺しちまった…!!3人も!!なぁ、人って殺していいもんだったか?!?!命って何なんだった?!?俺はどうして生まれてきた?!?人殺して何で俺だけ生きてる?!?ダチも殺された!!何なんだよ!!!何やってんだよ!!!もう…もうわかんねぇよ…俺、わかんねぇよ……」




震えている俊介。
甲子園にいくために鍛えられた体は、こんなにも弱くて小さかったっけ?