火傷があった。

体中に。

紫色に変色して、ただれた肌は異物そのものだった。


三歳の頃、パパとママは借金まみれの人生に絶望してあたしを引き連れて心中しようとした。

炎上する車。


三歳の記憶にこびりついたのは、地獄の光景。

視界は燃えて、熱さで喉がカラカラになって祈ることを知らないあたしはただひたすら泣いていた。

たった三歳でも死への恐怖は確かにあった。

だけど、神様の悪戯のせいであたしだけが生き残ってしまったのだ。



奇跡の子、なんて一瞬で
あたしは日を追うごとに異端の子になっていった。