ピンク色の花びらがヒラヒラ舞う。

この桜並木道を通り抜けるまでは


亮平の後ろ、この特等席は


あたしのものだよね。



亮平の学ランをぎゅっと掴むと、涙がこぼれて頬をつたった。


ただ、あたしが亮平を好きだっただけだ。




なのに、どうして涙がとまらないんだろう?


自転車は、桜並木道をゆっくり走っていく。