私は本当に空人を好きにならないのだろうか。
空人は変わらず寝息をたてている。
私はまた風に揺れるカーテンを見た。
「空人、5秒以内に起きたら付き合っても良いよ」
自分でも驚く台詞が自然と口から出た。
そっと視線をずらしてみるとやっぱり空人はピクリとも動かずに眠っている。
「5」
私は自分が作り出したこの状況がなんだかおかしくなってついつい笑みを浮かべながら再び揺れるカーテンを見つめた。
「4」
寝ている空人がそうタイミング良く起きるはずはない。
私は空人が顔を伏せている机の隅に、左ひじを置いて頬杖をついた。
「3」
今度、ちゃんと空人と向き合って私の答えを伝えなくてはいけないと改めて覚悟を決めた。
「2…」