―――ウソはついてない―――
私は自分に言い聞かせた。
気付けば文化祭から２週間が経っていた。
考えた結果、私は空人の告白を断ろうとしていた。
誰かを特別に好きになるなんてやっぱり私には出来ない。
自分の人間らしいところを期待してみたけれど、結局、無理だった。
空人は友達の１人。
それ以上ではない。
私は写真から顔を上げて時計を見た。
本のページをめくる事をすっかり忘れて考え込む私を置き去りにして、時間はずっと進んでいた。
―――帰ろう―――
ここ最近はどんな写真を見ても何も感じない。
私は閉じた本を本棚に戻して図書室を出た。
―――あ、そうだ―――
廊下を歩きながら持って帰るつもりだった教科書を教室に置いて来た事を思い出した。
私は迷う事なく向かう先を教室に変更した。