確かにそうだ。
今までいろんな人から告白を受けて来たけれど、全てその場で私の答えは出ていた。
「異性として好きか嫌いか」を考える間もなく「断る」という答えが出ていた。
それなのに今回、私は何も見えていない。
どんな答えも導き出せていない。
「あぁ~もう無理!分かんない!空人は友達だし!」
私は頭の中のゴチャゴチャしたものを振り払うように頭を左右に振った。
「珍しく本気で悩んでるね」
真由子は携帯の向こうで苦笑しているようだった。
「じゃあさ、美咲は友達を失うのが嫌?それとも空人を失うのが嫌?」
「…何?」
あまりにも意味が分からない質問をされて、私は聞き返した。
「美咲は今回、友達の空人から告白されたから悩んでるんでしょ?それは相手が空人だから?それともちょっと仲良くなった友達が相手だったらやっぱり今みたいに考える?」
―――相手が空人だから?―――
真由子の言葉を胸の中で繰り返してみたけれど、もう私の頭は限界だった。