「それに東京なんてそんな遠くないしな。会おうと思えば新幹線でもバスでも行けるし。今は携帯もあるから連絡取んのも困んねぇし」
いつもの声に戻ったソラが、優しく笑った。
「ソラ…それって…」
言いかけたところで、タイミング良く真由子から電話がかかって来た。
「美咲!早く帰って来なさいよ!売り上げ1位は絶対ウチがもらうんだから!」
真由子は、さっき以上に張り切っていた。
「…戻っか?」
「そうだね」
すっかり真由子の勢いに押された私達は、逃げて来た出店に潔く足を向けた。
その後、私は言われた通りに文化祭が終わるまで、ケチャップとマスタードのチューブを絞り続けた。
その結果、なのかは分からないけれど、真由子の思惑通りに売り上げ1位は私達のクラスが勝ち取った。
「美咲、そんなに売り上げ1位が嬉しいの?あんなに文句、言ってたのに」
片付けをしながら、隆太が私のニヤつく顔を覗き込んだ。
「え?ま、まあね」
私は、なんとか顔を戻そうとした。
けれど、この盛り上がっている雰囲気に乗って、ごまかす事にした。
―――ソラは、遠距離でも良いんだ…―――
余計な心配が消えた私は、普段の私として、やっと未来を見つめ始めた。
いつもの声に戻ったソラが、優しく笑った。
「ソラ…それって…」
言いかけたところで、タイミング良く真由子から電話がかかって来た。
「美咲!早く帰って来なさいよ!売り上げ1位は絶対ウチがもらうんだから!」
真由子は、さっき以上に張り切っていた。
「…戻っか?」
「そうだね」
すっかり真由子の勢いに押された私達は、逃げて来た出店に潔く足を向けた。
その後、私は言われた通りに文化祭が終わるまで、ケチャップとマスタードのチューブを絞り続けた。
その結果、なのかは分からないけれど、真由子の思惑通りに売り上げ1位は私達のクラスが勝ち取った。
「美咲、そんなに売り上げ1位が嬉しいの?あんなに文句、言ってたのに」
片付けをしながら、隆太が私のニヤつく顔を覗き込んだ。
「え?ま、まあね」
私は、なんとか顔を戻そうとした。
けれど、この盛り上がっている雰囲気に乗って、ごまかす事にした。
―――ソラは、遠距離でも良いんだ…―――
余計な心配が消えた私は、普段の私として、やっと未来を見つめ始めた。

