―――情けな…―――
珍しく自分が恥ずかしくなった。
ソラに冷たい言葉をかけられても当然だ。
これは、ソラに決めてもらう事じゃない。
「ソラ、さっきの無し。決めてからちゃんと言うから」
私は、自分を切り替えた。
「うん」
ソラがやっと私を視界に入れた。
「ああ!そういう事か」
いつもの私に戻った事を確認したソラが、急に何かひらめいたらしく大きく頷いた。
「おまえ、東京に行くかもって悩んで、とりあえず今ここに居る証拠欲しさに皆の記憶に残ろうって考えだろ?」
ソラの鋭い予想に、私は驚いて立ち止まってしまった。
「そんなイベントに必死になって出なくても、モデルやんなくても、サキの事は皆、嫌でも忘れねぇよ」
読みが当たった事に気付いたソラは、勝ち誇った顔になった。
「なっ!別に私はそんなつもりじゃ…」
焦って後を追った私に、ソラは楽しそうに続けた。