「サキのは大丈夫だよ。なんだけどさ、なんか人足んないらしくてもう少しシフト入ってくれって言われたんだよ。ま、俺は進学でも専門学校だから受験対策必要ないし、小遣い稼げるから続けても良いかなって」
バイト先で頼りにされたのが嬉しいらしく、空人は少し得意気だった。
「それで今日も部活の後、バイトなんだ?」
良くやるなと思う俺に、空人は嫌な顔1つしないで、そうそう、と頷いた。
「じゃ、俺そろそろ部活行くわ」
時計に目を向けた空人は、カバンに手をかけた。
「うん。俺ももう行かないと」
俺達は揃って教室を出て、それぞれの部活に向かった。
美咲の誕生日まで、後2週間弱だった。