「暑っ!今12月だろ?」
飛行機から降りてもソラは人一倍にぎやかだった。
「美咲、眠れた?」
すでに疲れが出始めた私の顔を隆太が覗き込んだ。
「無理。飛行機ん中でずっとソラがしゃべってたからうるさくて寝らんなかった」
私はオーバーにグッタリしてみた。
「サキ、バスに積む荷物よこせよ。積んでやるから」
少しの疲れも見せないソラが駆け寄って来て私の宿泊用バッグに手をかけた。
「良いよ。自分で出来るし」
私は自分で荷物を積もうと持った。
「良いから貸せって。重いだろ?」
それでもソラは強引に私から荷物を奪った。
「先にバス乗ってろよ」
ソラはそう言ってさっさと荷物を積みに行ってしまった。