「ああ、風無くなったから煙が流れないぃ」
サキがまた新たな文句を言いながらデジカメを顔から離した。
「でも、ま、けっこう撮れたから良いか」
一応、満足したらしいサキは大人しくデジカメをしまった。
「なぁ、サキ」
花火を見上げる俺にサキは黙って視線をくれた。
「俺、去年の花火の時、サキを好きになったんだと思う」
視界の下ギリギリに居るサキが目を見開いているのが分かる。
「なったって言うのは違うかな?たぶん好きになったのはもっと前でちゃんと気付いたのが去年の今日なんだと思う」
視線を落とすと今度はサキが慌てて花火を見上げた。
「な、何?急に…」
後ろから見るサキの耳が赤くなっているのはきっと花火の反射のせいじゃない。
「俺、あの時、初めて見たんだよ。サキが普通に笑ってるとこ」
俺は今でもあの時のサキの顔を覚えている。
「は?普通にってどういう事?笑ってるじゃん」
サキは不満気に振り返った。
サキがまた新たな文句を言いながらデジカメを顔から離した。
「でも、ま、けっこう撮れたから良いか」
一応、満足したらしいサキは大人しくデジカメをしまった。
「なぁ、サキ」
花火を見上げる俺にサキは黙って視線をくれた。
「俺、去年の花火の時、サキを好きになったんだと思う」
視界の下ギリギリに居るサキが目を見開いているのが分かる。
「なったって言うのは違うかな?たぶん好きになったのはもっと前でちゃんと気付いたのが去年の今日なんだと思う」
視線を落とすと今度はサキが慌てて花火を見上げた。
「な、何?急に…」
後ろから見るサキの耳が赤くなっているのはきっと花火の反射のせいじゃない。
「俺、あの時、初めて見たんだよ。サキが普通に笑ってるとこ」
俺は今でもあの時のサキの顔を覚えている。
「は?普通にってどういう事?笑ってるじゃん」
サキは不満気に振り返った。

