「なんだよ、このギャラリーは！？」
美咲と真由子が駆り出された女子バスケ部の練習試合当日、会場となった体育館は観客であふれかえっていた。
「美咲人気は相変わらずだね。ここに居る男全員、空人の敵なんじゃない？」
自分で言っておきながら、あながちウソではないのかもしれないと思った。
観客のほとんどは男で相手高校の男子生徒も居る。
中にはプロ仕様かと思われるカメラを持ったヤカラもチラホラ見受けられた。
「関係ねぇよ。サキは俺んだし」
美咲と海人の１件以来、空人は余裕を取り戻していた。
「そう言えば空人が美咲と付き合ってるって言った後、特にそれについて話題になんなかったよね？」
俺はつい１ヶ月前の教室での出来事を思い出した。
「ああ、アレ？」
俺達は出来るだけ近くで試合観戦をする為に最前列に出ようと無理矢理、人込みをかきわけて行った。
「なんか知んないけど誰も信じねぇんだよ。俺が勝手に付き合ってるって妄想してるとかってさ。笑いのネタになって終了」
空人はその状況を思い出したのか苦笑した。