「で、そのケイコちゃんとやらはどこの高校の子なのよ?もしかしてこの学校の子?」
いつも何かと隆太には遊ばれている。
こんなチャンスは滅多にないと俺は上目線で問い詰めた。
「ケイコは高校生じゃないよ。大学生」
俺にイジられる気がまったくない隆太は平然と予想を上回る事を答えた。
「何だって?」
結局、俺はいつも通りのポジションに引き戻された。
「ケイコは今、大学3年生なの。俺と4つ違い」
俺は開いた口が塞がらなかった。
「おまえ、そんな年上と付き合ってんの?」
「そ、元々は兄貴の友達だったんだけどね」
隆太は恥ずかしがる事もなく笑みを浮かべた。
「隆太はケイコちゃんにベタ惚れだもんね」
「まあね、でもケイコの方がもっと俺にベタ惚れだと思うよ」
真由子の冷やかしにも隆太はまったく動じる気配がない。
俺にはもう勝ち目はなかった。
ただ、へぇと聞く事しか出来ない。