悲しい目で苦笑いする矢野先輩。


あたしは
何をすればいいのだろうか。


そんなの今のあたしには
到底考える事ができないだろう。


何を選べばいいの・・・?



叶わぬ恋を見つめながら
長瀬先輩を想い、
矢野先輩を一人で悩ませるのか。



それとも。



叶わぬ恋・・・
長瀬先輩への気持ちを
胸の中にしまっておいて


矢野先輩とずっと一緒にいて
矢野先輩の隣で
支えつづけるのか。



あたしはいったい
どっちを選べばいいの?



今のちっぽけなあたしには
とても一人で
考えられないだろう。



矢野先輩・・・


長瀬先輩・・・



あたしは・・・どちらを
選べばいいんですか?




きっと。




どちらを選んでも後悔する。




そしてそのあと。




あたしは矢野先輩を
見つめながら


一人悩んでいた。




このあと、すぐに・・・




さっきの選択しを
選ばなければならない時が
来るとは・・・



その時のあたしには
想像もつかなかった。




・・・ガチャッ



扉が開く。



「「・・・!」」



矢野先輩のお母さんと
お父さんが医者を引き連れて
入って来た。


「・・・大地くんだね?」



医者が矢野先輩に
近づいてそう聞く。



「・・・はい」


「君に大事な話をしたいんだ。


だから
他の人はちょっと
病室からでてくれないかな?」



「あ・・・!はい」



あたしは医者の通り、
矢野先輩のお母さんと
お父さんと病室からでる。



・・・バタン。



「・・・何ですか?話って・・・」