その日は突然やってきた。


紛れも無く その日が。


あたしたちが

互いに傷付き合い、

すれ違い合った・・・


その日が。


昨日と同じように、
朝はやってきた。


その日は
いつもより目覚めが悪かった。


本当に悪かった・・・


何もかもすべて
いつも通りだった。


けれど。


決して、
最後のあの時のことは

忘れはしない。


「柳原ーーーーー!!」


突然叫び声が、
朝の練習場に響く。


まだ誰もいないこの武道場に。


あたしは防具に着替えて
部屋から出た直後だった。


廊下の方にあなたは立っていた。


「え・・・?」


「・・・ッ」


あなたはあたしの方へ
近寄ってきた。

あたしは
あなたの様子に異変を感じ、

少しずつ後ろへ下がる。


・・・ドンッ


あたしの背中に壁があたった。


あなたはあたしの左側の顔の横に手を強くおいた。


・・・ばんっ!!


「・・・!?」


体が一瞬ビクっと動いたあたし。


「え・・・何・・・ですか?」


「何ですかじゃねーよ!!!」


大きな声で怒鳴るあなた。


「・・・!!」


「てめー・・・何で
黙ってたんだよ!!」


「え・・・?」


「何で大地と付き合ってたの

俺に隠してたんだよ!!」


「え・・・・!?」


あたしは驚いた。


え・・・何が!?


ちょっと待って・・・!?


あたし矢野先輩と
付き合ってない!!


「付き合ってない!!」


「嘘つくんじゃねーよ!!

だったら何で
そんな噂でてんだよ!!」


噂・・・!?


「・・・嘘つき野郎!!

俺の気持ち知ってて・・・

二人して・・・くそ!!」



長瀬先輩はあたしから
離れると、歩きだした。


「・・・っ!?」



すると立ち止まる長瀬先輩。


そして。


「二度と俺に
近づくんじゃねーぞ!!」


あたしにそう言う長瀬先輩。